法律の知恵

トラブルを解決するための知恵をご紹介します。

未成年者(制限行為能力者)の保護とその相手方の保護

私法(民法)上では、20歳未満の者を未成年者とし、一定の行為の制限を行い保護しています。(民法4条~)

 

無論、19歳の大学生でも保護されます。

(19歳の大学生と20歳の大学生との差異には触れないでおく。)

 

 

《事例》

A男(18歳)は、大学のサークルの先輩であるB男(21歳)からバイクを30万円で買い受けた。

30万円一括払いが困難であったA男の事情を考慮して、月3万円の10回払い(分割払い)で合意した。

(A男は、親の同意なしに契約を結んだものとする。)

ところがある日、A男は支払いが滞ってしまった。

A男は借金をし、Bへの支払いを果たした。

 

A男「こんな事なら買わなければよかった。」

 

 

 

もし、自分の子供がこのような場合に遭遇したらどうでしょうか。

 

「あんた馬鹿ね!」と叱りつけても何の解決にもなりません。

 

民法では、未成年者を守るための規定が置かれています。

 

このことを知っていれば解決は可能です。

 

では、上記事例を解決してみましょう。

 

 

 

解決策①弁護士に相談

 

30分の相談料で、相場にして5000円は払わなければいけません。

 

安い高いは個人差がありますが、今回のケースの場合からすると見合わない出費になると思います。

(個人的には、、、)

 

 

 

解決策②民法の知識を使う

 

民法を知っていればもちろん自分で解決できます。

 

費用も基本かからないので、知識はあった方が得ということです。

 

 

まずは、事実確認を行います。

  1. A男は18歳=未成年者
  2. AB間での売買契約(相手方はB男)
  3. A男は親の同意なしに契約(法律行為)を行った

 

 

以上のことから、、、

 

未成年者は原則として単独で法律行為は出来ません。理由としては、判断能力や精神が成熟しきっていないからです。(民法5条1項)

 

よって、未成年者が法律行為を行う時は親の同意が必要になります。

 

今回のAB間で結ばれた売買契約では、A男は親の同意をえていません。

 

従って、A男の行為は取り消すことができます。(親だけでなく、A男本人も自分が未成年者であることを理由に取り消せる。民法5条2項)

 

取り消すと売買契約は初めからなかった事になるので、支払った代金はA男に返還され、バイクはB男に返還されます。

 

だから未成年者は借金をしてまで支払ったりしなくてもいいということです。

 

 

 

相手方の保護

 

 

逆に自分が未成年者と契約した場合はどうでしょう。

 

いつ取り消されるか分からない状況が続くのは嫌ですよね。

 

そこで民法は相手方の保護も規定しています。(当事者平等の原則) 

 

 

 

  • 催告権

 

上記事例では相手方はB男になります。

 

B男はA男の親に対して1ヵ月以上の期間を定めて「この契約を取り消しますか、それとも追認しますか?」と尋ねることができます。(民法20条)

 

これを催告権と言います。

(追認=契約を取り消さない、有効なものにする)

 

その期間内に取消もしくは追認をしてくれれば何ら問題はありませんが、期限を過ぎてもなんの返事もないことがあります。

 

その場合は追認したものとみなします。

 

 

  • 詐術

 

A男が自分は成年者だ、親の同意を得ている、などと偽りB男を騙した場合は、A男やその親は取り消すことができくなります。(民法21条)

 

でないと、信用したB男が可哀想ですよね。

 

そうした悪質な未成年者は保護に値しないということです。

 

無論、B男がA男は未成年者だと知っていた場合は取消は可能なのでB男は催告をして安定した法律関係にする必要があります。

 

 

 

 

公務員試験や資格試験のために

 

制限行為能力者は全部で4種類あります。

  1. 未成年者
  2. 成年被後見人
  3. 被保佐人
  4. 被補助人

 

制限行為能力者制度の問題はよく出題されます。

 

4つの類型の細かなところまで把握しておく事をオススメします。